アセクシュアル(アセクシャル)への誤解がありました
自分は10代の頃から、映画に出てくる性的なシーンが苦手でした。
特にベッドシーンが出てくるものは、半分くらいの割合で見続けられない気持ちになります。
でもその気持ちは、友人や家族と見ているから恥ずかしいのかな、
今はまだ若いから受け入れられないだけなのかな、と思っていました。
そして、慣れようと思ってちょっと無理して見たりもしていました。
しかし最近、ちょっと待て、わたし28歳だ…と改めて考えると
周囲の人と比べて苦手の度合いがかなり強いんじゃないかと思い始めたのです。
そこで、LGBTQ関連の本が豊富な図書館に行って調べてみることにしました。
見えない性的指向 アセクシュアルのすべて
わたしは『見えない性的指向アセクシュアルのすべて』という本を読みました。
すると、自分がアセクシュアルについて誤解していたことが分かりました。
(次の見出しでアセクシュアルの説明があります)
以前からアセクシュアルやAロマンティックの意味を知っていたし、
アセクシュアルを公言している、なかけんさんのドキュメンタリーを見たりもしていました。
それでも自分がアセクシュアルという性的指向だと気づくことができなかったんです。
なぜかというと、アセクシュアルは「誰にも全く性的に惹かれない」人だけが当てはまると思っていたからです。
全ての人にとって、性的指向とは範囲のようなものであって、
単純に分類されたカテゴリーではないのです
性的指向は簡単にザクっと分けられるものではなく、スペクトラムだということをよく分かっていませんでした。
改めて、アセクシュアルとは
また、アセクシュアル は
・セックス自体が本質的に追求する価値のないものだと思っていたり
・セックスに興味がなかったり
・セックスを楽しむことはないし楽しみたいとも思わない
・セックスを人との関係の一部にしたくない
というようなことを意味している場合もあります。(p20)
私の場合は、恋愛感情を持ち、(時々)性的に惹かれることもあります。
それを言葉で説明すると、
ロマンティック・アセクシュアルと言うそうです。
※ロマンティック…セックスや性的魅力が関わる必要のない恋愛関係のこと
私は恋愛感情を抱くほうのアセクシュアルだったので、気づくのが遅くなった部分もあると思います。
なぜなら日本では、アセクシュアルを「恋愛的にも、性的にも惹かれることがない人」を指すことが多いからです。
LGBTQに関するカタカナ語は複雑だなぁと思います。
自分に似た人の体験談
この本の中で、自分の感覚に似ている人の言葉があったので引用します。
「私は人に触れるのが好きです。ほとんどの場合はプラトニックに、手をつないだり、ハグしたり、抱きしめたり、背中合わせに座ったり、隣に座って膝が触れ合ったり、ほかにもいろいろあります。
人に触れたい気持ちには、いろいろな感覚が関わっていますが、私は『官能的な魅力』と呼ぶことにしています。『肉体的な魅力』というと性欲を思わせますから。
でも、確かにそれは性欲なのでしょう!でも私の「性欲」は性的なものではありません。状況がわからないと人はそれを性的なものに結びつけますが」
匿名 Asexual Tumblr より
とっても共感するなと思いました。
私は人に恋愛感情を抱くのに、それが誰かにとって恋愛なのかが分からなくて、困惑することが多かったです。でもこういう感覚を持っていたからだと思います。
友達と恋人の境界線が自分と他人とでは違いすぎたのだと思いました。
最後に この本をおすすめするための文章
アセクシュアルに対する偏見や誤解、パートナーとどうやって関係を築いていくか、
もしあなたがアセクシュアルなら、(または、そうかもしれないと思ったら)
など具体的なことがたくさん書かれています。
特に私がホッとしたのは、
「アセクシュアリティは、性的指向が現れる前の状態、成長過程の状態を指すものではなく、すでに成熟した状態だと言えます。」
という言葉です。
ずっと自分は幼稚なのではないか、子どものままでいたいのではないか、
思い出せないけど過去に何らかのトラウマがあったのか、
などと自分を疑ってばかりでした。
しかし、この本では、実際に存在している多様なアセクシュアルの人たちを紹介していて、悩んでいる人がたくさんいたということも分かりました。
私は同性に恋愛感情を抱くため、そのことについては深く知ろうとしてきましたが、
何かが引っ掛かるな、疎外感を感じるなぁと思うことが多かったです。
ずっとそれが何なのかわからなかったです。
でもこの本を読んでからは、
無理しなくていいんだ、自分のままでいいのかも…!と思えました。
今後の自分がどうなっていくのかは分かりませんが、今の状態を指す言葉があったことがうれしかったです。
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ちょっとでも気になる方がいたら、ぜひ図書館や書店で見つけてみてください。
とても力になってくれる本です。
おしまい