サンドラ・L ・ベム 『ジェンダーのレンズ』 一周目感想
「ジェンダーのレンズ」という本を読み終わったので感想を書きます。
これはサンドラ・L・ベムが書いた本で、彼女は両性具有と性別の研究で知られています。
「彼女の研究はアメリカの女性にとってより平等な雇用機会に直接つながりました。」
とwikipediaにも書かれており、社会に影響を与えた研究者でした。
この本は全米出版社協会の心理学部門のthe Best New Book(1993)に選ばれているようです。
頭を叩かれたように驚きが多かったのですが、まだよく分からないこともあるので、とりあえず分かったことだけ書いてみます。
※この本が書かれたのが20年以上前ということで、今の考え方よりも古い部分があると思います。私もジェンダーの勉強を始めたばかりなので、少しずつ理解していければと思います。
ジェンダーのレンズとは
この本では、誰もがジェンダーのレンズをはめて世界を見ているのだということを非常に詳しく説明しています。
そのレンズは、3つです。
1ジェンダーを両極化しているレンズ
2男性中心のレンズ
3生物学至上主義のレンズ
私たちは、無意識のうちにこの3つのレンズをのぞいて世界を見ています。
ちょっと信じられないかもしれませんが、読み進めていくうちに本当に実感しました。
このレンズがどんなものかを知るためには、性別に関わる歴史的背景をたどることになります。
歴史はユダヤ教やキリスト教、ギリシャの哲学までさかのぼります。さまざまな学者が書いてきた論文も紹介されています。(アメリカの学者なので西洋文化の歴史です)
歴史を見ていくと、いかに男性中心の世界が出来上がっていったのかを知ることになります。まさかここまで男性中心の構造をもつ世界に生きているとは思いませんでした。
それを知ったうえで、もっと理解するのが難しかったのが
1ジェンダーを両極化しているレンズでした。
ジェンダーを両極化しているレンズ
ジェンダー両極化のレンズとは、男女をはっきりと分類し、両極に分けているレンズということです。
私はいつもこのレンズをはめている自覚があり、それをあまりにも考えてしまうことに悩んでいました。そのレンズは必要なのか?といつも自分に問うていました。
本を読むと、現代における男らしさ・女らしさは文化が引き起こしたものだということが分かります。
また、そもそも、なぜジェンダーの両極化という考え方が生まれるのか、ついても教えてくれているので、私の思考をほぐしてくれました。
内容の説明は非常に難しいので、今後少しずつやっていきます。
まとめ
この本は、自分の感情や考え方がいかに文化に染まっているのかを自覚させてくれます。
また自分の思考を俯瞰して考えられるので、素晴らしい本にめぐりあえて幸せだと思いました。
正直、読むのがとても難しい本です。歴史を紐解いていく部分の分量がかなりあるので、現代に結びつくまでが少し辛抱が必要でした。しかし全部読み終わってみると、本当に読んでよかったと思える一冊でした。