谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」とIUさんの「eight」
先日IUさんの「eight」を聞いて、共感する部分を書きました。
「無力感と無気力」を感じるということ【IU eight】 - かたちを作るブログ
今もこの曲をずっと聴き続けています。
聞けば聞くほど、音楽の素晴らしさを感じるとともに、辛く悲しい気持ちも呼び起こされます。だんだん悲しい気持ちが大きくなってきて、聞かない方がいいんじゃないか?と悲しい気持ちに耐えられなくなります。
それでも、聞きたくなるのでまた聞いています。前に進みたくてこの曲を聞いています。IUさんは悲しみと必死に向き合ってこの曲を書いたはずだから、その力を少しでも受け取りたいという気持ちがあります。
そんなことを考えてる時、ふとkindleで谷川俊太郎さんの詩を読みました。すると、「eight」に通ずるものがあったのです。
あなたはそこに
谷川俊太郎さんの詩「あなたはそこに」がkindle unlimitedに入っていたので、なんの気なしに読んでみました。
するとこんな言葉が出てきて、時が止まったような感覚が押し寄せました。
ほんとうに出会った者に別れはこない
この一行に、ものすごい力を感じました。読んだ瞬間は、本当に周囲の時間が歪んでいるようでした。
わたしは「別れ」をしたくなくて、別れが来てしまったことを思い出したくありませんでした。
受け入れようとしても、受け入れられませんでした。そうして忘れようとしていたのです。
しかし、この詩を読んで少し光が見えました。もしかすると、別れじゃないのかもしれない。別れだと決めつけなくていいんだと思えたのです。
この詩を読んだあと、IUさんの歌詞を見直しました。
決められた別れ
サビの歌詞で、こういった表現が出てきます。
決められた別れなんてない
決められたさよならなんてない
憂鬱な結末なんてない
「決められた別れなんてない」というのは、別れは突然訪れるという意味とも捉えられます。しかしわたしは、
「(誰かに)決められた別れなんてない」ということだと感じました。
別れだと決めるのは誰なのでしょうか。それが別れかどうかを決めるのは、自分自身でいいのです。
この部分を音楽と共に聞いてみると、「わたしはそれを別れだと思ってないよ」という意志のようにも感じます。
そういう風に歌詞を捉え直すと、一生会えない人とも本当につながっているような気がして、また会えたような気持ちになりました。
ずっと思い続けていいんだと思いました。
まとめ
こういった生死に関わることを文章にして、考えていくのは大変です。あまりにも大きな話だからです。
しかし、向き合って考え続けていると、悲しみが何かに変わったり、新しい世界が見えることがあります。
IUさんの音楽で、考えるきっかけをもらい、谷川俊太郎さんの詩で新しい気持ちを授けてもらいました。
そして、再びIUさんの音楽を聞くと、違ったように聞こえました。
わたしは、このことに心を動かされました。お二人の言葉を感じて、少しだけ前に進めたような気もします。
悲しみの中にあるもっと大切な感情をすくいとれたような感覚です。
IUさんと谷川俊太郎さんのお二人と、もっと遠くにいるお二人にありがとうという気持ちです。