「無力感と無気力」を感じるということ【IU eight】
IUさんの新曲が発表されました。eightというタイトルは、IUさん自身の年齢を思わせる数字です。
これまでも、IUさん自身の年齢や経験が歌詞に反映されている曲が多くあります。
今回の曲についてのコメントを読んで、共感できる部分がありました。そのことについて書いていきます。
「無力感と無気力」
IUさんはeightについてこう説明しました。
「今まで披露してきた曲が、私がリスナーに自ら話かけるエッセイスタイルの話だったとしたら、『eight』は“君”という仮想の人物と様々な比喩を使って私の28歳を告白した短い小説のようなものだ。
私の個人的な叙情から来るものなのか、災害によって同じく辛い時期を耐えている社会全般的な雰囲気から来るものか、もしくは両方すべて当てはまるのかは確信できないが、
私の28歳は繰り返される無力感と無気力、そして“私たち”が悲しくなく、自由でいられた“オレンジ島”に対するなつかしさで記憶されそうだ」
「無力感と無気力」、この言葉に強い共感を覚えました。それはきっと、わたしがIUさんと同じ世代だからなのかもしれません。
27歳になってから、とても無力感を感じることが多くなりました。何の気なしに、今までの人生を振り返る瞬間があるのです。
すると、今まで感じたことのない「生きてきた実感」というか、わたしの生きてきた「時間の束」を感じるんです。
これは25歳や26歳では感じたことのない感覚で、一度、自分の人生がひとくくりにされたような感じです。本にしおりをはさんだような、何かを箱にしまったような、そんな感覚。
そういう風に、自分の人生を俯瞰するようになりました。すると、風のようにスルッとした感覚で、「もういいのかな。」って気持ちが湧いてくるんです。
まさに無力感と無気力です。
この気持ちは、重たくのしかかるようなものではありません。ただ、そっと背中を押されるような感じなのです。美化すると、ひだまりのような感じ。
この浮遊した感覚を、まさにこの曲が表現していると思います。
27歳、28歳というタイミング
「27クラブ」という噂のような、迷信のような言葉があります。有名ミュージシャンがこの年齢で他界してしまうことが多く、このような言葉が生まれました。わたしは母親に聞いてこのことを知りました。
もしもこの感覚が同じタイミングで他の人にも訪れるのなら、こういう噂があるのもおかしくないとわたしは感じています。
この浮遊していて、少し乾いた感覚。自分の人生を俯瞰するタイミングがふっと現れること。
この感覚が他の人にもあるのなら、もっとこの気持ちについて語り合いたいと思いました。
IUさんがこの感覚を音楽に昇華してくれたおかげで、この感覚をハッキリと自覚することができました。直接会ってありがとうございますって言いたいくらいです。
言葉に変えにくいものを提示してくれて、それを共有してくれる。このことはわたしにとって非常に大きな力になります。ぜひ多くの人にこの曲を聞いてほしいです。
あとがき
この「無力感と無気力」が、今後のわたしにどんな影響を及ぼすのかわかりません。ただ、悪いことだけではないと思うのです。
はちゃめちゃに辛い時期が、あとから振り返ると味わい深くなっていたりします。そんな感じで、この感覚もあとから味わい深くなるのでしょうか。
わからないけど、この気持ちを受け止めておこうと思います。
今後どのように変化していくのか、自分の気持ちを追っていきたいです。