こんにちは。
今日はスウェーデンのLGBT+ についてよくわかる本『ぼくが小さなプライドパレード』を読んで、個人的に印象に残ったところを2つに分けて書いていきます。
この本は、スウェーデンに住むソフィア・ヤンベリさんが書きました。彼女は大学で日本学を学び、日本への留学や仕事経験もあります。
ソフィアさんは現在は27歳で年齢的には若いかもしれませんが、とても深く、幅広くLGBT+コミュニティについて紹介しています。
内容は
・LGBT+へのインタビュー
の2つが出てくる形式です。
特に印象に残ったことをピックアップします。
ソフィアさんが考える、カミングアウトのこと
私は同性の人を恋愛的に好きになるという自覚を持っているので、特に自分と重なる部分が印象に残りました。
ソフィアさんはカミングアウトについてこう語ります。
(中略)個人的に私は、カミングアウトのコンセプトそのものが好きではないのですが、同じ意見の人をたくさん知っています。
私がバイセクシュアルであることは、初めて会う人みんなにとって適切な話題というわけではありません。だから、自分から話題にすることは違和感があるのです。
でも、もし私がカミングアウトしなければ、出会う人のほとんどから異性愛者だと思われるのが現実です。
残念ながら、これは私にとって、カミングアウトすることより不快なことです。
ソフィアさんは、カミングアウト自体がベストな選択ではないけど、より自分らしくいるにはカミングアウトせざるを得ないんだと語っています。ベターな選択ということです。
多くの人は、なぜカミングアウトする?そんな大々的に言わなくても…と思うかもしれません。
私も自覚がなかったときはカミングアウトがなぜそんなに重要なのかをよく分かっていませんでした。
しなくてもいいんだけど、しなかったら嘘をついている感覚になる。モヤモヤする、という感じです。(私の場合です)
でも日本では、LGBT+に関わらず、プライベートなことは言わないほうがよしとされる風潮が強いんじゃないかと思います。
だから、この気持ちが少し分かるという人は多い気がしています。
言ったほうがいい機会が何回でも出てくる
また、カミングアウトは一度切りではなく、ずっと続いていくプロセスであると語っています。
それでも私は何度も何度もカミングアウトします。自分が、本当の姿とは違って見られているのを知りながら何もしないのは、しっくりこないからです。
(中略)ほかのバイセクシュアルの人々は、「今がそう思う時期なだけだよ」とか「どっちかに決めればいいだけ」とか「それは本当のセクシュアリティですらないよ。混乱してるだけ」 などとよく言われるのを知っています。
ソフィアさんのカミングアウトの葛藤は、自分の葛藤とはまた違った大変さがあると思います。
バイセクシュアルやパンセクシュアルなどの場合には、一見するとマイノリティに見えなかったりもするので、説明するのがもっと難しくなったり、誤解される可能性が高いのだなと知りました。
カミングアウトしなくても、恋愛や性に関する考え方や選択は人によって全然違うということを、みんなで分かち合えればいいなと思います。
まとめ
これ以外にも、
・LGBT+の難民の問題
・インターセクショナリティ
・宗教とLGBT+の話
など知らないことがたくさんまとめられていました。
カミングアウトの部分を中心に書きましたが、カミングアウトの感情をこのように細かく説明してくれている文章を初めて読んだので、とても救われた気持ちになりました。
誰が読んでも学びの多い一冊ではないかと思います。
おしまい
ぼくが小さなプライド・パレード 北欧スウェーデンのLGBT+ | ソフィア・ヤンベリ, 轡田 いずみ |本 | 通販 | Amazon